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当ブログは管理人、三枝りりおのオリジナル作品を掲載するブログです。
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Midnight UMA(12)
「おーっす久しぶりだな裕太!」
「義人君!?も、もう大丈夫なの?」
「え?ああ、一週間学校休んでたもんな。なんか記憶ないけど元気だぜ!」
「よ、良かったね。(あまりの恐怖に脳が処理したのかな…。)」
「ありがとな!それよりさ、河童事件の話聞いたぜ。結城が解決したんだってな。」
「ああ、うん。」
あの後彼は不良達に謝って回ったらしい。馨君に言われて涼君の話もしたらしく、制裁も加えられず、今は普段通りの生活を送っていると森野君が言っていた。知らぬ間に馨君に解決されていたことがシャクだったらしく、ぴりぴりしていたけど、大した事にならず解決して本当に良かった。
「でも後で来須先生に怒られちゃったけどね。」
「ダサ眼鏡に言われても怖くねーけどな。あ、なんか聞いたんだけどよ、その犯人の子、えーっと平川正一って言うらしくて、数ヶ月前から銀漢川の近くの教会に通ってたらしいぜ。」
「え、教会…?」
「知ってんのか?」
「うん。一度河童調査の時見つけたんだ。ボクは少し苦手な雰囲気だったな…。」
教会…。あの落ち着いた男の顔が浮かぶ。とても独特な雰囲気の所だ。彼、平川君も彼処に通ううちにおかしくなってしまったんだろうか…。きっとあの男やキリスト教が悪いわけじゃないんだろうけど、なんだか余計に嫌な印象がついてしまった。
「やっぱ宗教ってこえーな。あ、…でさ、聞きたい事があんだよ。」
「え、何?」
義人君はまるでいたずらの計画を話すよう子供の様にわくわくした様子で、ボクに顔を近づけた。
「犯人騙すために美弥と結城が途中で入れ代わったんだろ?」
「う、うん。」
「て事は当然、帰ったように見せかけるとこから入れ代わってたんだよな?」
「…あー、うん。」
義人君が更に嬉々とした様子で続ける。ボクは彼が聞きたい事が薄々わかってしまい目を逸らした。
「…じゃ、やっぱ結城も変装したんだよな?美弥に。」
「…。」
「そうなんだな!?お前、あいつのスカート姿見たのか?!やっべー超面白えじゃん!オレも見たかった──っ!」
馬鹿笑いしていた義人君が殺気を感じて固まる。続いて、壊れた人形みたいな動きで後ろを振り返る。ボクにはさっきからずっと見えていたよ。彼を睨む馨君と哀れんだ目をした涼君が。
「義人は口は災いの元って言葉、知らないのかな?」
「…ボクは一言も見たと言ってないからね。」
「裕太…。この、薄情者が…!」
「また来週まで、お別れだよ。」
放課後の部室に義人君の叫び声が響き渡った。