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当ブログは管理人、三枝りりおのオリジナル作品を掲載するブログです。
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番外編1(5)
翌朝。
「よー涼!おはよー。」
「義人…。おはよう。」
「なんだ?元気ねーな!まあお前いつもあんま元気ないけど。なんかあったのか?」
「なんでもねーよ。」
「ふーん。あ、おい!あれって…。」
「あ?」
涼が前を見ると少し遠くに南奎宿高校の不良達がいた。彼らは不敵な笑みを浮かべながらこっちへやって来た。
「義人。お前は先に行ってろ。」
「は?おいお前何したんだよ!あいつら怒らせたのか?」
「いいから行け!!」
そういうと義人の背を強く押した。その時、不良の一人が涼に話しかけてきた。
「よお三上~。昨日はどうしたんだよ?」
「俺たち公園で待ってたんだぜ?すっぽかすなんてひでーじゃん。」
「……。」
「何黙ってんだよ。おい!」
不良の一人が涼の肩を乱暴に掴もうとした時、リーダー格の不良、靏見(うつみ)がそれを制した。
「なあ三上、今から付き合ってくんねえ?尤も、お前に選択権ないけどな。」
「…今から学校なんすけど。放課後じゃ駄目すか。」
「てめえ調子乗ってんじゃねーぞ!」
「涼!」
「…あ?何こいつ?」
「義人!先行けっつってんだろ!」
「あー三上の友達かー。来ないとコイツどうにかしちゃうかもよ?」
「…っ。いいっすよ。行きます。」
「ちょ、涼!」
「おー友達想いだねぇ。んじゃ、義人くん?コイツ借りるから。学校に言ったらどうなるかわかってるよな?」
「……はい。」
義人は去って行く不良達と涼の背中を見つめることしかできなかった。役に立たないどころか足手まといになってしまう自分が悔しくて、そこから動くことができなかった。